株式会社エンバイオ・エンジニアリング

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2023.02.01

Bangladesh出張記①

真夜中の空港に降り立つと、存在しない記憶に懐かしさを感じる。バングラデシュの首都Dhaka、スムーズに入国し、最低限の両替を済まして先に進むと、空港ゲートの外の人だかりに圧倒される。空港内でプリペイドのタクシーを使用しようと考えていたが、そんなものは見つけられず、仕方なくUberタクシーを手配する。運転手がアプリ経由で何度もコールしてくるが、ひたすらベンガル語で話をされて何も通じない。GPSが指す辺りを徘徊するが、ナンバープレートは算用数字が使われておらず判別できないので、運転手の顔写真とトヨタのカローラという情報を頼りに探していく。1回それらしき車を見つけて乗車しようとするが、明らかに顔写真が違うので降りる。20分くらい粘って、もう一度同じ車に行き着き、古過ぎてハンドルのロゴ以外からカローラとは認識できない車体と、写真比+30歳くらいの運転手を確認し、ようやく車に乗り込む。既にここまでで、仕事で訪れた都市の中では、抜けてカオスな場所のようだ。この原稿はその車内で書き始めたものであるが、今回はDhakaを中心に10日程滞在する予定をしているので、数回に渡って何かしら発信できればと思う。

コラムの定期更新も気付けば2年以上になった。最近は慣れてきて1、2時間で1原稿を書けるようになったが、その割に更新がノンビリなのは、書くと決めてからそれなりに時間が必要だからである。機内でダイエットコークを頼み、もう何回目か分からないインセプションを観て、トランジット空港のベンチでメールを打って、そんな時間に空で色々と考えている。そういう意味では、丸一日掛かっていると言えるのかもしれない。ずっと考えている。
実は報告書もそのような書き方をしていて、特殊なものであればあるほど、吐き出すように一気に書く。情報やデータのインプットだけは真っ先にするが、その後は緊急性の低い仕事に何時間も使ったり、オフィスの周りを散歩したり、少し距離のあることをしながら大局的にどうなのか思いを巡らす。そんなことをしていると脳が徐々に思考を整理し、報告会の2日間前くらいに最終形の構想が何となくまとまってきて、自分なりに納得のいくものを原稿にする。もっと早く書けばと言われるが、そういう話ではない。無駄に見えるような待ち時間がなければ、同じようには書けないのだ。この感覚について何人かの同僚に聞いてみたが、よく伝わらず、いつも怪訝な顔をされてしまう。

道路の舗装が悪くなったのか、車体がガタガタするので顔を上げると、周囲は住宅用途の中層建築物エリアになっていた。街灯もまばらになり、雰囲気は隣国のミャンマーの首都Yangonに近い。運転手はアプリで確認しながら人気のない道を慎重に進む。ほどなく滞在予定のホテルに到着し、代金のお釣りも返ってきた。この先もこれが続くことを祈りつつ、アプリで運転手評価のレーティングに満点を付けた。

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部屋のバルコニーからの写真。シャワーのお湯は出ないが、長期でも過ごしやすそうなホテルである。

Bangladesh出張記②

Bangladesh出張記③

Bangladesh出張記④


(文責:渡辺 英喜)