環境保全(油臭・油膜対策)
『土壌が油くさい』、『井戸水に油膜がある』など感覚的に発見されやすい油汚染です。そのため、生活環境への影響やトラブルを引き起こす原因にもなります。
油臭・油膜とは?
油臭や油膜については、法律による規制はありませんが、生活環境保全上に大きく影響するため、環境省から『油汚染対策ガイドライン(環境省H18年3月制定)』が示されています。
処理目標の一例
臭・油膜の確認は官能試験であるため、主観的なデータになります。客観的なデータとして、実際に土壌及び地下水にふくまれる全石油系炭化水素(TPH)を二硫化炭素で抽出してGC/FIDにより測定し、土壌汚染評価の補助項目として判断する場合もあります。
油 臭 | 油 膜 | ||||
---|---|---|---|---|---|
標記 | 判定 | 状況 | 標記 | 判定 | 状況 |
0 | なし | 無臭 | なし | なし | 何もなし |
1 | やっと感知できるにおい (検知閾値濃度) |
あり | あり | 油膜が目視できる | |
2 | あり | 何のにおいであるかが分かるにおい (認知閾値濃度) |
|||
3 | らくに感知できるにおい | ||||
4 | 油の強いにおい | ||||
5 | 強烈なにおい |
目的に応じた対策(改善・除去)のご提案
即効性を求める油臭改善
RMキーパーは臭い成分を不揮発化する作用(マスキング作用)があります。その作用を利用して、掘削作業時や運搬時など短期間の作業時に油臭の改善が求められる場面で有効な処理方法です。
- RMキーパーを購入し、お客様で実施することも可能です。
- RMキーパーは、あくまでも油臭の不揮発化作用のみであり、除去・分解するような作用はありません。
- 長期的な油臭対策には、バイオレメディエーションなどによる対策が必要です。
現地の状況 | 土壌に鉱物油に起因した油汚染土壌あり(調査時に強い油臭を確認済) |
---|---|
周辺環境 | 民家と小学校が近接している |
対策時期 | 油汚染土壌の掘削時、運搬時 |
対策目的 | 油臭による周辺環境への影響を最小限にする |
対策工法 | バックホウによるオドマスクの散布・混合方法 |
使用濃度 | 5% ※油臭の種類に応じて、濃度は異なります |
対策前 | 油臭2〜3 |
処理目標 | 油臭の低減 |
対策結果 | 油臭1以下まで低減した後、土壌を搬出し終了 |
恒久的対策・除去
油汚染の油臭・油膜対策に高い効果がある工法として、原位置で汚染物質を微生物分解するバイオレメディエーションがあります。浄化に伴う環境負荷が小さく、低コストで実施できます。
浄化技術解説