株式会社エンバイオ・エンジニアリング

Soil Contamination
土壌汚染対策サービス
エンバイオ・エンジニアリングは、土壌汚染対策に必要なサービスを最初から最後まで、ワンストップでご提供いたします
土壌汚染対策サービス
PFAS Solutions
PFAS汚染対策サービス
地中に特殊な活性炭を注入して浄化壁を設置してPFASを封じ込め、PFAS汚染の拡大防止を図る原位置工法を提案しています。PFAS汚染の調査、対策、モニタリングの全工程をワンストップでお引き受けできます。
PFAS汚染対策サービス
Green Energy
エネルギー事業
太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーのEPC、O&M、そして売電コーディネートまで、すべてのフェーズに対応します。遊休地を維持する負担や人員の不足など、お客様に寄り添ってサービスを提供いたします。
エネルギー事業
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建築工事サービス
土壌汚染を調査・対策した土地に建築工事を行い、新たな価値を提供します。土壌汚染対応を含まない新築案件も広く承ります。
建築工事サービス
Environmental, Health and Safety
EHS関連事業
日本国内はもちろん、幅広い国地域(アジア・ヨーロッパ・北中南米等)においても、EHS関連サービスをご提供しています。
EHS関連事業
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製品販売-土壌汚染関連機器・資材の販売・サポート
土壌汚染対策のための、各分野に特化した優れた製品を中心にご提供しています。
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会社概要
エンバイオ・エンジニアリングについてご紹介いたします。
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2025.04.25

タイにおける産業廃棄物排出事業者の義務

タイにおける産業廃棄物の所管省庁は工業省(Ministry of Industry:MOI)であり、その中で、工場や産業廃棄物の管理を行っているのは工業局(Department of Industrial Works:DIW)です。

工場から排出される廃棄物管理に関しては、主に工業省が所管する1992年工場法に基づき制定された「廃棄物又は未使用材料の管理に関する工業省告示(2023)」に規定されています。

「廃棄物又は未使用材料の管理に関する工業省告示(2023)」は、工場から排出される産業廃棄物の管理方法について定めた告示(2005年)を廃止、刷新するものとして2023年に発効された告示です。排出事業者責任が基本原則となっており、廃棄物が排出されてから適切かつ完全に処理処分されるまで、廃棄物の管理および処理処分に関する廃棄物排出者の義務および責任が拡大されました。

本告示では、産業廃棄物排出事業者に、以下等が課されています。
・工業局が発行する廃棄物場外搬出許可証を有していること。
廃棄物場外搬出許可証: i-Industry systemを通じてGorOr.1フォームに、廃棄物運搬/処理業者との契約書(後述)、安全データシート(化学薬品の場合)、廃棄物の処理方法の詳細に関する書面等の書類を添付して提出することで申請可能。DIWでの対面申請も可能。許可なしに廃棄物を場外へ搬出した場合、200,000バーツ以下の罰金が科される。
・工場年次廃棄物保管・管理年間データを翌年4月1日までにi-Industry systemを通じて工業局に提出すること。
・廃棄物の分別と廃棄物の容器に会社名、廃棄物の名前及び区分、収納開始年月日、密閉年月日を含むラベルの貼付。
・廃棄物保管場所のレイアウトの作成。

その他、産業廃棄物排出事業者には、同年に発効された工業省工業局告示にて、以下が課されています。
・全ての廃棄物について、マニフェストシステムに従うこと。
マニフェストシステム:文書を使用して廃棄物の発生地点から廃棄物管理場所までの移動を追跡することで、廃棄物を適切に管理する制度。2004年に導入された。日本でも1993年からマニフェスト制度が義務化されている。マニフェストには、廃棄物の種類、量、発生源、輸送手段、目的地に関する詳細な情報が含まれる。廃棄物の発生地点から管理場所までの移動にかかわるすべての関係者が各段階で実際の廃棄物がマニフェストに記載されている情報と一致するかを確認し、問題なければ文書に署名することで、廃棄物が適切に管理されていることを確認する。規制当局によりマニフェストのコピーの開示を要求されることがある。これらの情報をオンラインで報告する電子マニフェストシステムも導入されているが、利便性が悪く利用率は低い。
・廃棄物運搬/処理業者との契約書をi-Industry systemを通じて工業局に提出すること。
※なお、廃棄物排出事業者は廃棄物処理及びリサイクルを、工業局から操業の許認可を取得している廃棄物処理及びリサイクル業者に委託する必要がある。廃棄物処理及びリサイクル業者の工業局操業許可登録工場コードは101号(焼却・排水処理)、105号(分別・埋立処分)、106号(再利用・リサイクル)である。

タイでは、廃棄物を焼却・埋立処分せず屋外に投棄、積み上げるだけの「オープンダンプ」と言われる処分方法が最も多い最終処分方法となっており、また、2021年の統計によると正規の処分施設ではなく、不正な処分施設が95%を占めると言います。こうした低水準な廃棄物処分環境が水質汚濁や火災、ごみ飛散などの環境問題につながっているそうです。廃棄物排出事業者の義務の拡大が廃棄物の適正な処理処分につながることに期待します。

タイの廃棄物処理に限らず、国内外の環境デューディリジェンス(環境DD)のご相談はこちらからお問い合わせください。

(本記事は、2025年3月14日までに日本語、または英語にて入手された情報に基づき執筆したものです。万一、内容に誤りがあった場合でも、一切の責任を負いかねます。)

参考文献
・Jetro Thailand「Notification of Ministry of Industry Subject: Management of Waste or Unused Materials (Unofficial Translation)」Jetro Thailand, https://www.jetro.go.jp/ext_images/thailand/pdf/01NotiMOIIndustrialWaste2566.pdf(参照2025-03-14)
・環境省「平成28年度環境省請負調査報告書」https://www.env.go.jp/recycle/circul/venous_industry/pdf/thailand.pdf(参照2025-03-14)
・塚田新也「タイの産業廃棄物事情について 一般調査報告書」愛知県https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/506179.pdf(参照2025-03-14)
・ジェトロビジネス短信「タイ工業省、廃棄物処理に関する告示刷新、管理義務を明確化」JETRO, https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/06/0f59014ddf856eab.html(参照2025-03-14)

(文責:U.M.)