株式会社エンバイオ・エンジニアリング

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2020.12.15

イスタンブールの連絡船

1本目の原稿が欲しいと言われて困ってしまった。
本原稿を書いている2020年11月下旬、冬を前にCOVID-19の世界的な感染拡大が止まらない。読む側では「出張の現地飯」なんかが楽しいが、海外渡航もままならない状況のため、直近の海外、1月末のイスタンブールを書こうと思う。ちょうど春節明けの中国出張予定が急遽中止になり、些か困っていた。そんな時期である。

トルコ共和国の首都イスタンブール。古くから交通の要衝として栄えてきた街で、ターキッシュ エアラインズ(トルコ航空)の拠点空港がある。偶然調整できたロングトランジット、朝6時半に着いて乗換便が19時間後。市内に出るのを楽しみにしていた。
高校時代、地理教師の勧めで「沢木耕太郎の深夜特急」を読み、地理的・文化的にアジアとヨーロッパの境目として栄えてきたこの街に大変興味を持ったことを覚えている。何度か乗り継ぎはしたが、外に出る機会はなく、念願の初入国。ブルーモスク(イスラム教の礼拝堂)参拝、旧市街地の散策、やりたいことは色々あったが、まずは港町イスタンブールを感じ、アジア側とヨーロッパ側を繋ぐフェリーに乗ること。ボスポラス海峡を眺めながらトルココーヒーを頂き、大満足であった。

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午後からバザールを散策。アーチ状の高い天井が続く市場で、立ち寄ったのは日本人駐在人御用達の土産物屋。
「お兄さんいくつ?大学生の卒業旅行?ラッキーだね、シルクの絨毯を入れ替える予定しているから、特別に安くできるよ。陶器のコースターもお土産で人気。」
と、失笑してしまうほどの見え透いたお世辞からの、昭和の観光地のノリである。が、値段も良心的で、店の魅力でもある。中国やASEAN諸国の台頭で、相対的に日本のプレゼンスが下がり、近年、日本人相手に力を入れて営業する店も少なくなってしまった。
トルコ感溢れる陶器のお皿は魅力的なものの、買っても持て余しそう‥と考えていたところ、目に付いたのがトルコタイルの表札。完成後に郵送してもらうオーダーメイド商品であったが、「Watanabeはサンプルで作った在庫あるよ!」の偶然に購入を決めた。

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今は職場のデスクに置いてある。ちなみに狭いフロアに5人も"ワタナベ"が居り、英語圏の日本人同士のように "ファーストネーム+さん"で運用している‥。

その後、海峡沿いを歩いてフェリーに乗船。 通勤ラッシュと被る時間帯のためか、仕事帰りかなという人達に多く使われていた。夕日に映えるモスクを眺めながらヨーロッパを離れ、まもなくアジア側に到着。

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同じように賑やかに店が立ち並ぶ。ボードゲーム屋を眺めたり、ケバブ屋に立ち寄ったりした後、1時間ほどで空港のあるヨーロッパ側に帰る。
旅行記が書かれた時代と違い、複数の海底トンネルが通り、街の空気やフェリーの役目も変わりつつあるのだろう。でも、1人の観光客としては、情緒が残り、少し距離のある街が好きである。煌びやかな新空港に戻ってそんなことを考え、中国便の欠航表記に少し戸惑いつつも、東京に戻った。
(文責:渡辺 英喜)