工事詳細
1.はじめに
道路拡幅工事に際し、旧クリーニング工場跡地を調査したところ、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレン、クロロエチレンによる土壌、地下水汚染が確認された。一部の汚染物質は土壌・地下水共に第二溶出量基準を超過、また、周辺に飲用井戸も確認されたことから、要措置区域に指定された。
2.対象地
土質は主にシルト質砂礫、砂、砂礫で構成されており、地下水位はGL-2.0m程度であった。
3.対策方法
要措置区域の範囲を鋼矢板により遮水し、地下水位以浅の汚染土壌は掘削除去を行った。地下水位以深の浄化対策として、酸化剤を用いた超多地点DP工法により汚染の浄化を行った。超多地点DP工法を用いた酸化剤注入により、鋼矢板で遮水した範囲に同時に均一に酸化剤(フェントン反応剤)を注入し、汚染物質を効率的に酸化分解し、浄化が完了した。
4.公共工事に際しての浄化対策設計業務
第二溶出量基準を超える土壌・地下水汚染が存在し、設計に際し、TR試験を実施したが、環境基準まで低減させようとすると莫大な薬剤量が必要になった。予算も限られていることから、試験結果の半分の薬剤添加量で設計することになった。
5.概要
- 掘削除去(第二溶出量基準超過) 60m³
- 掘削除去(溶出量基準超過) 110m³
- 酸化剤注入 227,100L