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当社が開発した浄化技術の事業計画に関する経済産業大臣及び環境大臣による「微生物によるバイオレメディエーション利用指針」の適合確認のお知らせ

2022.09.07
技術関連
令和4年9月1日付で 経済産業大臣及び環境大臣より、当社が開発した浄化技術である「バイオオーグメンテーションによる塩素化エチレン類汚染土壌・地下水の浄化」の事業計画が、「微生物によるバイオレメディエーション利用指針」に適合していることが確認され、商業利用が可能となりましたので、下記の通りお知らせいたします。

1.本技術の効果について
当社が開発した技術(利用微生物)を用いた工法は、トリクロロエチレンを無害なエチ レンに高速で脱塩素化し、より毒性の高い中間生成物であるジクロロエチレンやクロロエチレンを土壌・地下水中に蓄積しないという特長があります。従来の原位置浄化工法では現場の条件等によりジクロロエチレンやクロロエチレンの残留が見られる場合がありましたが、本技術は特に高い脱塩素活性を有しているため浄化が可能になります。

2.確認申請の経緯について
当社は、国立大学法人東京農工大学と共同で同社が浄化工事を手掛けた土壌汚染現場の地下水から単離したトリクロロエチレンを無害なエチレンに短期間で脱塩素化する高活性能の微生物(Dehalococcoides属細菌UCH-ATV1株(以下、「UCH-ATV1株」という))とUCH-ATV1株と共生してその増殖や高活性能をサポートする特定の微生物を混合した微生物群(以下、「ATV1コンソーシア」という)を作製し、それを用いた汚染土壌・地下水の浄化工法を開発しました。 継代培養によりATV1コンソーシアの安定化を図ったのちに、人の健康や生態系への影響に関する安全性評価を行うと共に高活性能の安定した再現性を確保する技術が確立できたため、開発した工法を国内での商業利用に移行するために事業計画が「微生物によるバイオレメディエーション利用指針」に適合していることの確認申請を行いました。この度、経済産業省と環境省の合同審議会の審査を経て、同指針に適合していることが確認されました。なお、UCH-ATV1株については、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の協力を得て単離同定を行いました。

3.今後の計画について
今後は、コストの高い掘削除去工法を選択せざるを得ない塩素化エチレン類汚染土壌・地下水の現場に対し、効率的かつ低環境負荷、低コストである原位置浄化として、本工法を活用していく計画です。

【用語説明】
1.バイオオーグメンテーション
バイオレメディエーションの一手法で、分解活性の高い特定の微生物を培養して、浄化対象地盤に添加して汚染物質を無害化する手法
2.バイオレメディエーション
微生物の有する汚染物質分解活性を利用した汚染土壌・地下水の浄化手法の総称