中国の大気(排気)規制対応支援
大気関連の法規制は、近年の中国で急速に厳格化しており、製造業における大きな操業リスクの1つとなっています。「安定的な工場運営のために予防したい」「既に生産制限措置を受けてしまったが何とかしたい」といった、お客様のニーズに対応するエンバイオの機能が、大気(排気)規制対応支援です。
環境課題とエンバイオのサービス
以下のようなお客様向けに、文書・記録や測定データに基づいて排気処理能力やリスクを診断し管理方法や設備等の解決策を提示します。
環境課題
- 廃気(工場の排気)対策はどこまでやれば良いのか? 関連した環境規制と行政指導を知りたい。
- 古くから接着工程でVOCsを少量使用している。現在の環境規制の中で適法であるか、診断してほしい。
- 工場内にVOCsの臭気がある。これらの無組織廃気を改善したい。
- 周辺住民から悪臭の苦情がある。排気モニタリング結果は全て適合であるが、原因はどこに? 悪臭の原因を把握して、悪臭を除去したい。
- 重汚染天気重点業界緊急排出削減制定技術指針 (2020年改訂版)でのより上級の実績評価を得て、重汚染天気時の減産措置を緩和したい。
エンバイオのサービス内容
- 排気状況の診断(法適合状況、台帳の適合状況、無組織廃気・VOCsの排出量や処理効率の状況、悪臭の原因)
- 排気改善の計画(台帳の整備、無組織廃気の封じ込め設計、必要排気処理装置の選定や設計)
- 治療・VOCs除去効率99%排気処理装置、悪臭脱臭装置の提供
- 重汚染天気重点業界緊急排出削減制定技術指針 (2020年改訂版)対応
- 無組織廃気・VOCs・悪臭対策
大気関連の代表的な規制
- 1「重汚染天気重点業界緊急排気削減措置制定技術行動指針」の通知 (2020年6月 生態環境部)
- 企業のVOCs排出対策状況に応じて、企業をABCDにランク付け。秋冬大気規制時に、A級企業は自主削減措置、D級企業は黄色警報期間でも生産ライン停止。大気汚染時の生産規制、ピークシフト生産指導が厳格になる。秋冬大気規制時の操業継続のために、企業はVOCs排出削減が重要課題になる。
- 2「接着剤揮発性有機化合物含有量限定」 (強制基準となり、2020年12月施行)
- 接着剤のVOCs含有量の上限値が強制基準化され、基準に適合した接着しか使用ができなくなる。大気汚染防治法の規制強化につながる。
- 3「揮発性有機化合物無組織排出規制標準」 (2020年7月完全施行)
- 工場内VOCs無組織排気(煙突以外から漏れ出す排気)の規制強化。VOCs無組織排気の封じ込め、VOCs管理台帳の作成及び排気処理装置の改善などにより、VOCs排出量の削減を求める。
上位の企業カテゴリー(ABCD)への移行に向けた取り組み
エンバイオの中国の大気(排気)規制対応支援を通じ、突然の操業停止を避けるという最低限の対応だけでなく、より上位の企業カテゴリー(ABCD)への移行に向けた取り組みも可能です。
排気関係(VOCs及び悪臭)規制による生産制限リスク対応への優先度が高く、排気処理設備の改善を検討されるお客様には、サンプリングを伴う現地調査(排気フェーズ2)⇒具体的な設備改善の提案・導入支援、まで実施しております。
大気(排気)規制対応支援の手順
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課題の整理(Web対応可能)
- 課題の整理(VOCs除去効果?悪臭? 無組織廃気? 生産規制の緩和)
- 解決策(仮説)立案
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発生源調査
- 対象ガスの分析。ガスの種類、濃度、温度、風量、除去効率、悪臭物質などを確認
- 装置/改善方法予備設計
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現地調査(装置設計定数を設定)
- 無組織廃気の封込め方法
- 無組織廃気を封込めた後の風量など、設計定数を現地確認
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効果確認試験
- 現地また処理装置製造工場にて、VOCsや悪臭の除去効果を確認
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設計
- 必要最小限の風量で処理装置の設計・製造(テーラーメイド設計)
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排気処理装置導入
- 行政手続き、設置、試運転、運転操作教育訓練
Q&A
- 秋冬大気規制時の生産制限措置の緩和は可能ですか?
- 可能です。重汚染天気重点業界緊急排出削減措置制定技術指針(2020年改訂版)のA級企業に認定される必要があります。新たな排気処理設備を導入する等の対策を講じる場合、認定まで半年以上の時間が掛かることがあるため、余裕をもって準備することが必要となります。
- 2020年12月から接着剤のVOCs含有量の規制が始まりますが、輸入品の接着剤も規制されますか?
- 上位制度である大気汚染防治法には基準から外れた製品の輸入は禁止と示されています。
- 悪臭の除去はできますか?
- 悪臭物質に応じた吸着剤や触媒を用いた排気処理装置を導入することにより、悪臭の脱臭は可能です。
- 生産制限を受けた理由を特定できますか?
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既に行政から生産制限等の何かしらの指導を受けている場合、原因が不明確のまま、その対応が必要となるケースが度々発生します。拠点を持つ中国においては、現地法規制の運用状況を踏まえ、問題の発生原因が何かを特定、その解決施策の具体的なご提案に加え、改善後の規制緩和のための行政対応までご支援が可能です。
日本本社の把握が難しい現況の整理も行います。クリアすべき要求水準を把握し、過不足なく対応いたします。